スクリーンに映る木村先輩は、まるで女優のように整った容姿だ。日頃から放っている無愛想で近付き難いオーラも、画面越しから伝わってくる。

 映し出された彼女の左胸に、ピンク色のハートが眩しく光った。これが命の光だろうか。もしそうならば、あの記号はこの光が十一月八日に消えることを意味している。

 今見ているものは、彼女の死期だ。今日は九月一日であるため、あと二ヶ月くらいで木村先輩は死んでしまう。