「翼が選んでくれたものが欲しいな」


「え……」


 僕が選んだものが欲しい。その気持ちはうれしいが、自信がない。


「僕が選ばない方がいいよ」


「どうして?」


「昔、プレゼントをあげたことがあるけど、僕にセンスがなさすぎて、すぐに売られちゃったんだ……」


 情けない自分自身を笑いながら言った。だが、琴音は全く笑わず、少しだけ怪訝な表情になる。