「ごめんね。こんなに歩かせて」


 行く途中、何度か言葉を交わしていたらタメ口にも慣れてしまった。僕には意外と適応能力があるのかもしれない。


「いいよ」


 琴音は静かに言った。

 今日もいつものように地味な服装だ。だが、大きく違うところがある。