「この映画、ずっと観たかったんです」


 距離が近すぎて顔を直視できなかったため、本棚を見ながら言った。

 レンタルビデオ屋では縁がなかったものが、こうして目の前にある。なんだか、彼女のお母さんにも認めてもらった気がした。