駅に行く道から外れ、視線が無くなってからしばらく歩くと、木村先輩の家の前に着いた。車の横に、僕の自転車が置かれている。


「預かってくれてありがうございます」


 もう夜も遅かったため、木村先輩の家に自転車を預けてタクシーで帰ったのだ。タクシー代は思ったほどかからず、これなら往復しても問題なかったと少し悔しかった。