心なしか、二人の距離は近い。右手をちょっと動かせば、彼女の左手に触れてしまいそうだ。

 恋人同士になっても無言の移動だが、なんだか会話をする以上の繋がりを感じた。

 ただ歩いているだけにも関わらず、他の生徒達からやたらと視線を注がれる。