昨日は木村先輩が泣き止むまで、ずっと抱きしめていた。あの時の温もりを思い返すと、大胆すぎた自分がとても恥ずかしい。


「翼? 顔赤いけど風邪引いた?」


「だ、大丈夫です。それより、早く行きましょうよ」


「そうね」


 僕と木村先輩は歩き始めた。