木村先輩の細い身体を、ギュッと抱きしめる。

 彼女は少し驚いた様子だったが、僕にしがみつく。甘い香りがする柔らかな髪が、僕の腕に触れる。少し冷えた彼女の身体が暖まっていくのを感じた。


「ごめんね……今日は泣いてばかりでごめんね……」


「いいですよ。これからは何度泣いてもいいです。僕がいるので」


 その涙が止まるまで、強く抱きしめ続けた。