「今日はね、お母さんの命日なんだ。お母さんも私に、前を向く力をくれたのかな。ありがとう、お母さん……」


 彼女の瞳から、綺麗な涙が溢れ出した。こんな時はなんて言えばいいか、すぐに言葉が出てこない。

 だから僕は、立ちあがった。