優しい高い声で、彼女は僕の名前を呼んでくれた。そして、僕が最も望んでいた言葉も言ってくれた。

 現実味がないほど幸せが押し寄せてくる。


「ぼ、僕で良いんですか?」


「翼で良いんじゃない。翼が良いの」


「ありがとうございます」


 気がつくと僕も笑っていた。きっと、彼女と同じような笑顔になっているのだろう。