「本来なら、彼に直接謝罪させるべきです。でも、善斗くんには新しい恋人がいて、その人を一途に愛したいから、もう会うことはできないと言っていました。彼の思いも受け取り、今日はここに来ています」


「なにそれ。馬鹿みたい。でも、善斗さんらしいね」


 もう、木村先輩は泣いていなかった。その声は呆れて笑ったようにも聞こえる。