「善斗くんが高校一年生になる直前、両親が離婚してお父さんが家を出て行ったんです。珍しくかなり傷ついてました」

「そんな……知らなかった……」

「彼のことだから、どうせ言ってないと思っていました。善斗くんが木村先輩の未来を知ったの、彼の誕生日でしたよね?」

「うん……」

「彼、大切な人を失った直後だったんです。だから、余計に精神が不安定になって、怖くなったと思います」

「そうだったの……」