「先輩、善斗くんが高一のとき、なにがあったか知っています?」


「なにがって、なんのこと?」


 やはり、知らないようだ。

 この話を僕がする資格はないだろう。それでも、木村先輩に知って欲しい。

 許可を得ず話してしまう罪悪感を忘れるために、僕はもう一度した深い呼吸をした。