彼女が左胸から手を離すと、光は見えなくなる。木村先輩は顔を上げ、僕をしっかりと見て言った。


「悲しいを思いさせることがわかっているのに、恋人になんてなれないよ。善斗さんの時みたいな過ちを繰り返したくない。もう、今日で最期にしようよ」


 最期という言葉のナイフは、心臓に深く刺さった。