やってしまった。また、傷つけてしまった。また自分の気持ちで殴ってしまったようだ。


「先輩……ごめんなさい……」


「私の方こそ……」


 大きな池がある夜の公園に、小さな泣き声が響く。こうやって泣いている人が隣にいる時、僕はなにも言えなくなってしまう。昔から、なにも変わっていない。