大きな目が潤んでいる。耐えきれず溢れるように、彼女の唇から言葉が出てきた。


「斎藤くん、ありがとう。すごくうれしいよ。やっぱり、優しいのは斎藤くんの方だね。告白された時も……怖かったけど、うれしかったの」


 目を閉じて、声だけ聞いたとしてもわかる。木村先輩はうれしいという感情を声に出しているのだ。

 彼女の言葉が止まる様子はない。