「そんなことない。私は優しくなんてない。弱い人間だよ。斎藤くんに思いを告げられた時だってパニックになっちゃたし……斎藤くんのこと振り回してばかりの、自分勝手で最低な女だよ。今日だって、断るべきだった。いつも迷惑かけて、本当にごめんなさい」


 木村先輩はさらに深々と頭を下げた。

 やはり、優しい人だ。今の言葉でますます好きになってしまった。