「斎藤くん、善斗さんからどれだけ話を聞いているの?」


 僕は笑うのをやめて、真剣な声で答える。


「全て聞きました」


「そう」


 しばらくの沈黙が続いた。

 夜の公園は本当に静かだ。木村先輩と過ごした中で、一番の静寂かもしれない。

 その中でも聞き逃してしまうくらいの声で彼女は言った。