「あれ? 先輩ってブラックのコーヒーが好きなんじゃないんですか?」


 木村先輩が飲んでいるものは、僕と同じ甘いコーヒーだったのだ。彼女は一口飲んでから、僕の方を向く。


「誰から聞いたの?」


「善斗くんです」


「やっぱり」


 彼女は池の方を向くと、昔の話をしてくれた。