「先に座って待っていて」


「はい」


 ベンチの左側に座って待っていると、木村先輩が両手に缶を持って戻ってきた。


「これ、来てくれたお礼」


「ありがとうございます」


 缶コーヒーは適度に温かい。寒い夜にピッタリだ。