涙が流れた。

 身勝手な私は、優しくて居心地がいい斎藤くんにいつも引き寄せられている。

 彼が新入生代表のあいさつをしているのを見た時、善斗さんが言っていた後輩と同じ名前だと思った。珍しい名前でもないのに、なぜか彼のことを忘れずにいたのだ。