『知り合いにあいさつをしない奴はクソ』


　昔、尊敬している人が言っていた。その言葉が僕に染み込んでいるのが嫌というほどわかる。

　気がつくと、学校の敷地内から出ていた。考えながら歩いていたため、いつの間にか歩くスピードが落ちていたのだろう。早く教室を出たにも関わらず、僕の前には何人かの生徒が歩いていた。

　その中で、一際目立つオーラを放っているかのような人がいる。一学期の僕なら、感じたとしても気にも留めなかっただろう。