大好きな曲を聞いても、辛かったことが止まらず頭から溢れてくる。

 三年前のあの時を忘れたことはない。善斗さんに渡せなかったドッグタグネックレスは、私の後悔として重く首から下げていて、あの日から一度も外したことがない。

 それでも、ここまで鮮明に思い出してしまうことはなかった。