クラスメイトに自分からあいさつをしなくても、罪悪感を覚えたことはない。だが、考えてみると木村先輩とクラスメイトでは決定的な違いがあった。

 意識しているかどうかだ。意識してないクラスメイトは背景と同じだが、木村先輩は意識しているため知り合いという認識になっているのだろう。

 もちろん良い意味の意識ではないが、生徒で唯一意識している存在だ。知り合いと認識しているのなら、罪悪感を覚えるのは納得できる。