でも、彼の身体はまるで岩のように動かなかった。たったこれだけの動作で、私の呼吸が荒くなっていく。なせか、かなりの体力を消耗している。

 必死に揺さぶっていると、彼の身体が動いた。ゆっくりと私の方を向く。


「おい。あれ、なんだよ。どういうことだよ」


 善斗さんは怯えた目に私が映る。彼は私を怖がってるように見えた。