「私はもう中二ですよ? 自分の分は払います」


「いいから、いいから。先輩が後輩に奢るものだろ?」


 結局、彼に押し切られてご馳走になった。コーヒーを受け取る。

 どうしよう。缶が黒い。でも、松山先輩が私に買ってくれた気持ちはうれしい。

 意を決して蓋を開け、コーヒーを一気に流し込んだ。