でも、ここは自習室だ。すぐに彼も思い出したのだろう。申し訳なさそうに、何度も周りに頭を下げた。

 静かに謝り終えた彼は、少し声を小さくして改めて私に尋ねる。


「なんでそこなの? おまえならもっと難しい学校狙えると思うけど……」


「家から近いからです」


 私の言葉を聞いて、彼はクスッと笑った。