「あの、間違っているってどこですか?」


「今から教えてやるよ」


 彼は遠慮のない音量でしゃべると、さらに自習室にいる人全員に言った。


「すまん。今から勉強教えるから、ちょっとうるさくなるぞ。安心しろ。オレは天才だからすぐに終わる」


 自信満々過ぎる松山先輩が面白かったのか、自習室のあちらこちらから小さな笑い声が聞こえてきた。