後ろを振り返ると、他の中学校に通う男子生徒が立っている。声をかけられて驚く私に、彼はちょっと気まずそうに言った。 「いきなり声かけてすまんな。オレは松山善斗」 愛想笑いをして、小さな声で答えた。 「大丈夫ですよ。私は木村琴音って言います」