冷たい汗が流れる。

 まだ、命の光が消えることはないだろう。それでも、木村先輩の身になにか悪いことが起きている。


「斎藤くん……」


 最後に聞いた声よりもさらに細く、今にも崩れてしまいそうだ。こんな状況でも、久々に声が聞けて心が躍ってしまった。

 だが、今は当然浮かれている場合ではない。