「これもなにかのご縁です。良かったらお祈りしていきませんか? 石像を前にして両手を胸に当てて、今の自分が心から望んでいることを思い描くだけでいいので」


 気持ちはありがたいが、気は進まない。


 木村先輩のお母さんはここに通っていたにも関わらず、事故で命を落としてしまった。病気だって治らなかった。そんな話を聞かされた後では、とても祈る気になどなれない。