彼にとって、純子さんは子供のような存在なのかもしれない。悲しくはあるが、大切な話が聞けて嬉しかった。


「いいんですよ。僕も知らない話をたくさん聞けてよかったです」


「お気遣い、ありがとうございます」


 老人が頭を下げたので、僕も下げた。すると、彼は思いもよらないことを提案してきたのだ。