「あの、大丈夫ですか?」


 声をかけられて我に帰った。自分で思っているほど動揺を隠せず、悲しさが顔に出てしまっているようだ。必死に明るく返す。


「大丈夫ですよ。ちょっと暗い話で悲しくなってしまって」


「申し訳ありませんでした。純子さんのことが、一人でも多くの人の記憶に残って欲しくてつい……」