「純子さんは病気になってから、またここに通うようになってくれました。皮肉なことですが病気がなかったら、私は大人になった彼女には会えなかったかもしれません」


「病気?」


 思わず声が大きくなる。木村先輩のお母さんが病気だった。そんな話は聞いたことがない。