「木村純子さんがインターネットに書いた日記を見て、素敵な場所だと思って来てしまいました」


「そうですか。純子さんの……」


 老人は驚きつつも、懐かしそうだった。純子さんについてなにか、知っているかもしれない。


「はい。映画について調べていたら、たまたま見つけて」


「そうですか。純子さんは女優さんでしたからね」


「このあたりで撮影があって寄ったみたいですね。小さい頃から通われていたのですか?」