今からちょうど八年前の二〇一〇年十月十八日、居眠り運転のトラックが木村先輩とお母さんに突っ込んだ。

 その事実を知り、怒りで震え上がる。木村先輩から大切なものを奪った運転手を、絶対に許せない。

 だが、憎んだところでなにも帰ってこない。深く息を吸い、冷静さを取り戻す。