あの辛そうな表情が頭に浮かぶ。涙さえ枯れてしまいそうなほどの悲しみと、この世界にたった一人取り残されたかのような孤独に、僕までも飲みこまれそうになった。

 確かに関わるなと言われているが、悲しそうな顔をしていたのも事実だ。やはり、このまま放っておくわけにはいかない。あの映像だって気になる。

 見捨てられる苦しみは誰よりも知っているため同じ思いを人にさせることはできず、小走りで木村先輩に近づいた。