誕生日プレゼントを渡そう。

 木村先輩にとって誕生日とは、死へのカウントダウンみたいなものだ。いや、もう死を受け入れた彼女は、それさえも感じていないかもしれない。

 だからせめて、喜ぶようなものを渡して、少しでも誕生日が来てよかったと思ってもらいたい。

 でも、一つ大きな問題がある。木村先輩の欲しいものがわからないのだ。あまり、いいやり方ではないとは思ったが、本人に聞いてみることにした。