きっと彼なりの理由があるはずだ。協力しないと言った彼が薄情だとは思わず、僕はすんなり受け入れた。

 善斗くんはスマホをまたいじり始める。


「琴音とのツーショットは、忘れかけていたSNSから引っ張り出した。スマホには一枚も残っていない。さっきの画像もアカウントごと消す。今のオレにはこれがあるからな」


 彼が見せてきた画面には、幸せが映っていた。髪が白金になった今の善斗くんと、女性のツーショットだ。