あの虹の向こうへ君と

 彼は僕に思い切り頭を下げた。軽く謝られたことは何度もあったが、こんなことは初めてだ。


「おまえにまだ気持ちがあるなら、琴音のためにできることをして欲しい。おまえならできる。お願いします」


「待って、待って、顔を上げて」


 こんなことを言われると思わず、慌ててしまった。善斗くんに顔を上げてもらうと、僕は首を横に振る。