あの虹の向こうへ君と

 これを聞いた時、引っかかったことがあった。

 この条件を知っているということは、前にも同じことがあったのではと思っていたのだ。まさかそれが、善斗くんといる時に起きたとは思わなかった。

 彼の話を聞いても、殴りたいなんて微塵も思わない。むしろ、かわいそうだと思う。僕はあの時期に、なにがあったか知っているからだ。