あの虹の向こうへ君と

 善斗くんは黙って頷いた。その身体は少し震えているが、夜が寒いからではないだろう。


「おまえも観ていたのか?」


 今度は僕が黙って頷く。


「観ていたのか。それなら話は早いな」


 彼は大きなため息をついて、自分を嘲るように笑う。