これが自分らしい答えかどうかはわからない。それでもわかることはある。

 本当の優しさを持っている善斗くんは、僕の本心を引き出すために演技までしてくれた。そんな彼を殴ってしまったのだ。


「ありがとう。でも、さっきは殴って……」


「おい。少し歩くと展望台があるんだ。行くぞ」


「う、うん」