「もう一度、聞く。おまえは諦めるのか?」


 答えはすぐに出た。彼に湧いた怒りこそが答えだ。


「諦めたくない。恋人同士になれなくても、僕は木村先輩を幸せにしたい」


 善斗くんは寒い夜を暖めるように、にっこり微笑む。この顔こそが本当の彼だ。


「そうきたか。おまえらしい答えだな」