缶コーヒーを放り投げ、善斗くんの右頬に拳を打ち込んだ。考えるより先に身体が動いていた。

 彼はそのままバランスを崩して倒れる。殴った手が痛いが、そんなことはどうでもいい。僕は自分でも聞いたことのない怒号を、彼に浴びせた。

「ふざけるな! 木村先輩を弄ぶなんて絶対に許さない! 悲しませるようなことなんて絶対にするな!」