「善斗くんに彼女がいたことすら知らなかったよ」


「まだ、おまえが小学生の頃だったからな。一年も付き合わなかったから言うタイミング逃した」


「そうだったんだね」


 それ以上、なにも言えなかった。善斗くんもなにも言わなかった。

 夜景スポットはあまりにも静かだ。夜風が冷たいためか、少しずづ落ち着きを取り戻していく。おかげで、今できる最善のことが思いついた。