スーパーのフェンスよりも簡単に超えられそうで、下を見ると真っ暗でなにも見えない。こんな闇よりも目の前に輝く景色を見ていたい。

 夜景を見ながら、善斗くんが聞いてきた。


「で、なにがあったんだ?」


 自分から話を聞いて欲しいとお願いしたにも関わらず、言葉と一緒にカレーまで出てきてしまいそうだ。それでも、僕は声を震わせながら言った。