音楽を聴く気さえ失い、行くあてもなく歩き始めた。夜の街を人の群れに流されながら、空っぽの心でただ彷徨う。

 どうやってここまで来たのだろうか。気がつくとスーパーの屋上にある駐車場にいた。

 フェンスに近づいてみる。頑張れば登って超えられそうだ。