木村先輩には案内してもらうことが多く後ろを歩くばかりだったが、歩く速度を早め彼女の横を歩いてみた。同じペースで歩いて、少しでも近くで存在を感じてみたかったのだ。

 心臓の音は相変わらずうるさい。きっと、自分の声よりも大きいので、今話しかけられてもうまく話せないだろう。いつもの無言に救われている。