「だからね、また映画館で初代ムーンキュアーズの二人を観ることができてうれしかった。最期にまた誰かと観ることが出来て良かったよ。ありがとう」


 彼女の思いを聞いて、恥ずかしさが押し寄せる。僕はなんてことを考えてしまったのだろうか。最低だ。

 それでも、木村先輩は僕を「誰か」に選んでくれた。今は自分を責めるより、そのことを感謝するべきだ。